手作りおでんの冷蔵保存に、公式資料で示された一律の日数はありません。一般向けの記事には「2〜3日」「3〜4日」などの目安がありますが、安全が保証される日数とは考えず、粗熱を早く取って小分けし、冷蔵庫に入れてできるだけ早く食べ切りましょう。
煮込み料理は、調理後に室温で冷まして長く置いてから再加熱することが、ウェルシュ菌による食中毒の原因になりやすいとされています。保存と温め直しの両方で、室温に長時間置かないことが大切です。
おでんは冷蔵庫で何日もつ?一律の日数はない
農林水産省や厚生労働省の食中毒予防情報には、おでんに特化した冷蔵保存日数は示されていません。一方、一般向けの記事では冷蔵の目安として「2〜3日」や「3〜4日」など、異なる日数が掲載されています。情報に差があるため、特定の日数を「その日数までは必ず安全」と受け取ることはできません。
冷蔵庫に入れていた場合でも、保存前に室温で長く置いたか、小分けして早く冷やせたかなど、扱い方によって状態は変わります。日数だけで安全かどうかを判断せず、保存したらなるべく早く食べ切ってください。
| よくある目安 | 受け止め方 |
|---|---|
| 2〜3日 | 一般向け記事に記載されている目安の一例。安全を保証する日数ではありません。 |
| 3〜4日 | 別の記事に記載されている目安の一例。こちらも一律の安全期間ではありません。 |
これらの数字は、おでんの保存方法を紹介する一般向け記事や別の保存方法の記事に記載された目安です。公的な資料が示すおでん固有の保存期間とは異なります。日数を延ばすために毎日加熱すればよい、とも言い切れません。
保存するときは粗熱を早く取り、小分けにする
食べない分は、調理後に室温で長く放置せず、粗熱をできるだけ早く取り、浅い容器などに小分けして冷蔵庫へ入れます。厚生労働省は、残った食品を早く冷やせるよう浅い容器に小分けして保存すること、冷蔵庫を10℃以下に保つことを案内しています。
おでんのような煮込み料理を大きな鍋のまま室温で冷ますと、冷めるまで時間がかかることがあります。農林水産省によると、ウェルシュ菌は約12〜50℃の温度帯で増殖でき、室温で長く放置した煮込み料理は食中毒の原因になりやすいとされています。保存するときは「十分に冷めるまで鍋を置いておく」のではなく、早く冷やして冷蔵することを意識してください。
鍋ごと冷蔵庫に入れてよい?具材と汁は分ける?
鍋ごと冷蔵する方法や、具材と汁を分けた場合の保存期間については、ここで紹介する公的資料から具体的な優劣や日数を示すことはできません。保存方法の基本として案内されているのは、粗熱を早く取り、小分けして冷蔵することです。容器に移す場合は、冷えやすいよう浅い容器を使う方法が厚生労働省から案内されています。
冷蔵庫に入れるまで室温で長く置くことは避け、冷蔵後もできるだけ早く食べ切りましょう。冷蔵庫の温度や保存期間は、日数だけでなく、冷ますまでの扱いも含めて考える必要があります。
おでんの再加熱は鍋底まで混ぜて中心まで
食べる分を温め直すときは、鍋底までよくかき混ぜ、全体の中心までしっかり加熱します。煮汁だけが熱くなって具材の中心が十分温まっていない状態を避けるため、厚みのある具材も含めて温度が行き渡るように加熱してください。
厚生労働省が残った食品の温め直しについて示す目安は75℃以上です。味噌汁やスープなどは沸騰するまで加熱するよう案内しています。農林水産省も、煮込み料理を再加熱するときは、おたまで鍋底までかき混ぜ、中心までしっかり加熱するよう勧めています。
ただし、この温め直しの目安を、ウェルシュ菌の芽胞まで死滅させる条件と考えてはいけません。農林水産省によると、ウェルシュ菌の芽胞は熱に強く、通常の加熱調理で生き残ることがあります。再加熱は大切ですが、室温に長く置かないなど、保存時の扱いも欠かせません。
調理を途中でやめる場合も、鍋を室温に置いたままにせず冷蔵庫に入れ、再び調理するときは十分に加熱します。厚生労働省は、調理後の食品を室温に長く放置しないよう案内しています。
常温で一晩置いたおでんは食べない判断を
常温で一晩置いたおでんは、安全を保証できません。農林水産省は、煮込み料理を調理した後に室温で冷まして放置し、再加熱した食品がウェルシュ菌食中毒の原因になりやすいと説明しています。室温に長時間置いたものは、食べずに処分する判断をしてください。
においや見た目に異常がないことだけでは、安全とは判断できません。少しでも怪しいと感じた食品は、味見をせずに捨てましょう。また、毎日加熱すれば長期間食べ続けても安全、ということでもありません。ウェルシュ菌の芽胞は通常の加熱で生き残ることがあるため、再加熱だけを頼りに保存期間を延ばさないでください。
具材別の日持ちや冷凍の向き不向きは?
具材ごとに冷蔵で何日もつか、どの具材が冷凍に向くかを示す根拠は、この記事で参照している公的資料にはありません。そのため、具材別の保存日数や冷凍後の品質について具体的な違いは断定できません。
冷凍する場合についても、農林水産省は煮込み料理を小分けして冷蔵庫または冷凍庫に入れる方法を案内していますが、おでんの具材別の適性や冷凍保存期間は示していません。具材ごとの期間を一律に決めず、保存した日や方法を把握し、できるだけ早く食べ切るようにしましょう。
おでんを安全に保存するための要点
- 冷蔵保存に、おでん固有の公式な日数はありません。一般向け記事の目安を安全保証として扱わないでください。
- 食べない分は粗熱を早く取り、浅い容器などに小分けして速やかに冷蔵庫へ入れます。
- 室温に長時間置いたおでんは、再加熱しても安全を保証できません。常温で一晩置いたものは食べない判断をしましょう。
- 温め直すときは鍋底まで混ぜ、中心まで十分に加熱します。加熱だけで保存中のリスクを打ち消せるわけではありません。
- 少しでも怪しいと感じたら、見た目やにおいにかかわらず食べずに捨ててください。
おでんを保存するときは、決まった日数を頼りにするのではなく、早く冷やして冷蔵し、長く室温に置かず、できるだけ早く食べ切ることを基本にしてください。
